ミャンマー(ビルマ)について
ミャンマーというと、軍事政権で怖いとのイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。マスコミは政治的ニュースしか流さないので怖い国だと思っている人が多いようです。2010年11月に総選挙が行われ、現在テインセイン大統領を国家元首とした、共和国制への移管を進めているところです。
ミャンマーはアジアで最も安全な国の一つです。この治安の良さはミャンマー人の熱心な仏教信仰が背景にあるといわれています。またこの国の親切な人たちに触れてリピーターになる人も数多くいます。このイメージギャップは、やはり西側諸国の政治的宣伝によるところが大きいのでしょう。
またミャンマーは、世界有数の親日国でもあり、日本へのあこがれがとても強いです。例えば、大学生の習う外国語は日本語が一番人気で日系企業に就職したい、日本と何らかの形でつながりを持ちたいというのが彼らの希望で日本製の車・電化製品はもちろん日本文字までも彼らにとってはブランドなのです。
ミャンマーの人件費はたしかに安いのですが(一般労働者の1日あたりの賃金は1US$程度)、まともな暮らしの場合、物価は決して安くはありません。タイと同等か物によってはタイよりも高いくらいです。長年の西側諸国からの経済制裁と競争原理がはたらいていないのが原因だと言われています。
観光地としても有名で広大な三大仏教遺跡の1つ「バガン」もあり、仏教国ミャンマーは是非一度行ってみても損はしない国ではないでしょうか。
ミャンマー基本情報
130以上の少数民族が住む多民族国家ミャンマーは就業者の半分以上が農業に従事し、GDPの約60%を農業生産高が占める典型的な農業国です。1962 年に始まった閉鎖的社会主義経済政策によって国内の経済活動は低迷しましたが、仏教文化が育んだ数々の遺跡や豊かな自然は観光資源としての可能性を秘めていて、観光産業の成長に期待が集まっています。日本とミャンマーの間には伝統的に友好関係が存在しており、両国国民の間には、さまざまなレベルにおいて文化交流が着実に積み重ねられています。
基本情報
国名 |
ミャンマー連邦共和国 Republic of the Union of Myanmar |
面積 |
676,578平方km(日本の1.8倍) |
人口 |
約5,838万人(2009年) |
首都 |
ネピドー(2006年遷都、旧首都:ヤンゴン) |
政体 |
軍政から共和国制へ移行中
国家元首 テインセイン大統領 |
主な言語 |
ミャンマー語、他にシャン語、カレン語、英語、中国語(中国系)
|
主な宗教 |
仏教(89.4%)、キリスト教(4.9%)、イスラム教(3.9%)、ヒンドゥー教(0.5%)など
|
通貨 |
チャット(1米ドル≒850チャット 2011年4月現在) |
※出所:日本貿易振興機構
ミャンマーと日本の貿易関係
日本との貿易(通関ベース)(100万ドル)
年 |
日本の輸出(A) |
日本の輸入(B) |
収支(A-B) |
2005 |
92.25 |
204.42 |
△112.17 |
2006 |
103.82 |
245.55 |
△141.73 |
2007 |
176.30 |
296.10 |
△119.80 |
2008 |
186.77 |
313.55 |
△126.78 |
2009 |
201.92 |
340.96 |
△139.04 |
- 日本の主要輸出品目
- 輸送機械(43.9%)、一般機械(28.0%)など(備考:2009年)
- 対日貿易上の特徴および問題点
- 特徴:特恵関税を利用した、衣類、靴などの労働集約型製品の輸出が多い
問題点:ミャンマー側の外貨不足による輸入規制措置や外為規制
- 日本企業の投資件数と投資額
- 件数:24件
金額:2億3,760万ドル
備考:認可ベース。1988年の外国投資解禁以降、2004年3月までの累計。国別9位(金額ベース)。
- 日系企業進出状況
- 企業数:51社(備考:日系進出企業数はヤンゴン日本人商工会議所メンバー数、2009年8月。)
- 投資(進出)に関連した特長、問題点
- 長所:
・勤勉、低廉、かつ豊富な労働力(英語可)。特に縫製業では中国やベトナムに次ぐ候補地として注目される
・日本向け特恵関税の活用
・豊富な天然資源(農業、水産物、天然ガス等)
短所:
・電力などインフラの未整備、二重為替レート、外貨送金規制、欧米による制裁など。
- 在留邦人
- 人数:504人
出所:外務省「海外在留邦人数調査統計(平成22年度速報版)」
※出所:日本貿易振興機構
ミャンマーの基礎的経済指標
実質GDP成長率 |
n.a. [2009年] |
名目GDP総額 |
n.a. [2009年] |
一人あたりのGDP(名目) |
571ドル [2009年] |
消費者物価上昇率 |
n.a. [2009年] |
経常収支(国際収支ベース) |
n.a. [2009年] |
貿易収支(国際収支ベース) |
n.a. [2009年]
|
外貨準備高 |
n.a. [2009年]
|
為替レート(期中平均値、対ドルレート) |
n.a. [2009年]
|
為替レート(期末値、対ドルレート) |
n.a. [2009年]
|
通貨供給量伸び率 |
30.6% [2009年]
|
輸出額 |
412億8,910万チャット [2009年]
|
対日輸出額 |
9億6,612万チャット [2009年]
|
輸入額 |
228億3,740万チャット [2009年]
|
対日輸入額 |
14億1,244万チャット [2009年]
|
直接投資受入額 |
3億235万ドル [2009年]
|
※出所:日本貿易振興機構